及川徹と岩泉一に関する一考察

漫画『ハイキュー!!』の登場人物である青葉城西高校の及川徹と岩泉一に関して考えたことや思ったことをまとめておくブログです。

ハイキュー!! 135話 感想

山口

最後の山口に全部を持って行かれる話だったと思う。
流れが青城に傾き、かつセットポイントが見えてきたという、明らかなピンチの局面に行かせてくれと訴えかける。
いいなとは思いながらも白羽の矢が突然立ってビビって、コートの熱量に圧倒されたIHの時とも、無難さに逃げてしまった和久南戦とも全く違う覚悟だとよくわかる。
正直、IH青城戦の後、山口が公式戦でコートに立つ時は、雪辱戦になると思っていた。つまり今までの練習が実って成功すると思っていた。しかし、実際は和久南戦で逃げを一度挟んだ。この逃げの描写ははたして必要だったのだろうかと和久南戦を読んでいる時にはそう思った。

でも必要だった。


IHで練習不足と場にビビり失敗したこと、夏の間ずっと練習してきて最後の方ではあのノヤさんに触らせない一本を打てたこと、でも和久南戦の本番ではおそらく本番だからこその要因でビビってしまったこと。
それを全部経験したからこそ、積み重ねた練習は自信になって、後悔で逃げ道を塞いでいる事が読者にわかる。
だから山口は絶対に失敗しない。プライドに懸けて、そしてそれは裏切らず、間違いなくサーブを決めてくる。

この山口には隙がない。失敗する要素が無い。これが説得力のある得点、つまり必殺技ってことだよな。漫画的な話だけど、十分なフラグだなと思う。気持ちいい。

及川さんの掌中

ピンクの象のことを考えないでください。
だなって。京谷のことを意識しないようにしている時点で意識してしまっている。及川さんは本当に心理戦が上手い。

及川さんにとって京谷は予測不能なところがあるようだけど(金田一の球を割り込んで取ってる所でテンパったり)、予測不能も織り込んで御す方向はしっかり見定められてる感じがするから、京谷もすでに及川さんの手の中なんだろうと思う。
似たようなのでも、及川さんにとって岩ちゃんは織り込めない予想外なんだろうと思う。岩ちゃんの行動言動に素で驚く及川さんの描写は多い。手の中に収められない存在。
及川さんは全体を掌握、掌中に収めておきたいタイプだと思っているんだけど、岩ちゃんに関しては収められないから諦めたっていうより、最初から収める気が無いように見える。収めようという意識がそもそも働かない。そのあたり、やはりこの2人の関係は特別なものなのだろうと思う。

青城の地力

烏養コーチの「攪乱して確実に点を重ねながら~」っていうのが、青城の地力の強さをこれでもか!と示している一言だなと思ってすごくグッときた。
不安定でエンジンが全然かかってない奴を一人抱えて、そいつの調整をしながらでも烏野と互角以上に渡り合える力があるってことで、春高現在、烏野が全員比較的安定していることを思えば(日向がビビらないとか月島がやる気とか山口がビビらないとか)、やはり青城はまだまだ烏野の上を行っているんではないかと思う。
あとはほんと流れなんだろうなあ。どんなスポーツでも流れというものはあるようなので。
試合とは実力が全てではないんだろう。一回こっきりの甲子園とか見てるとほんとそう思う。
きっとプロ野球ペナントレースみたいな感じでずっと試合し続けてたらまだ青城が強いと思う。

あとわかってはいたけど、やはりパンチ力が足らないんだなあ。
岩ちゃん(エース)好きだからそこの印象は見ないふりしてきたけど、やっぱそうだよなと思う。
岩ちゃんのエース力は、純粋な攻撃力(低いとは思わないけど)よりは、いることで増す安定感とか、ここぞという場面で託す時の信頼感にあるんだろうと思う。
こいつなら決めてくれる、こいつがいれば大丈夫、こいつで失敗したならもうその時はしょうがない。というそういうエースなんだと思う。