及川徹と岩泉一に関する一考察

漫画『ハイキュー!!』の登場人物である青葉城西高校の及川徹と岩泉一に関して考えたことや思ったことをまとめておくブログです。

ハイキュー!! 143話 感想

青城の層の厚さ

現状の青城の層の厚さというのは正直設定だけで特に描写はされないかなと思っていた。

そもそも推察に推察を重ねた話なんだけれども。

1.強豪なので層が厚いはず

  • 他校行ったらどこでもエース張れる様な奴が揃ってる
  • 北川第一の選手の大部分が進む(中学の時点で強豪に所属していた選手が多い)
  • 2年セッターのレベルが低かったとかじゃない 青城入ってるわけだし
  • 俺昔落ちたんだよ(落とされる可能性もあるレベル)
  • ベンチメンバーに加えて応援席の人数の多さ

こういう描写があるので選手層は相当に厚いはずである。

2.しかし練習試合(4月)の時点でベストメンバーに1年が2人もいる。IHでも変わらず。

  • 1年の伸びがスゲーんだってさ

こういう描写でフォローが入っているものの、

  • 2人とも優秀だろうけど別に影山レベルのスーパールーキーではない
  • 京谷が先輩と喧嘩しているシーンを見るに、及川さんや岩ちゃんもおそらく1つ上の代の引退まではスタメンっぽくない

やはり違和感がある。

ただこれは、リアリティより金田一と国見を入れた方が青城(及川)と烏野(影山)の対立構造に厚みが出るし、既に出てきたキャラクターの方が読者の親しみも得られるという物語上の都合が優先されたと考えられる。

以上から青城は層が厚いという設定はあるけれど、物語の都合上活かされはしないんだろうなあと思っていた。

というところで、今週の矢巾の交代だ。
別に層の厚さを示す意図があったとは思わないけれど、矢巾はあの交代の場面でも特に緊張したりビビったりする様子は見えなかった。交代を当事者として自然と受け入れている空気があった。山口や縁下さんとは違う。

矢巾もきっと中学で第一線で正セッターやってたんだろうし、だから公式戦だって慣れているだろうし、今だって控えの印象は強いけど、実際に悩み事で「及川さんの後釜キツイ」って言えちゃうってことは、次期正セッターは確定しているわけだ。後釜を担うのは他の誰でもない矢巾なんだ。
それぐらいの実力を彼はやっぱり持っているわけで、青城の層の厚さが垣間見えたなと思った。
選手の交代にハラハラが全くない。

ついでにだけど、及川さんが日向に対して「まぐれはまぐれ」と言った。
京谷と日向は不確定要素っていうところで似ているのかなって思っていたんだけど、京谷は「まぐれ」ではないんだと気付く。
京谷は実力は確かなんだ。多分基礎も出来ている。だから使いこなせれば「まぐれ」ではなく「確実に」その力を活かせる。
そのあたりも層の厚さかもなあ。

山口の当事者意識

縁下さんは和久南戦の最中に当事者意識を得る事が出来た(コートの中のお客様ではなくチームメンバーになれた)けれど、山口はできなかった。

それが得られたんだなと今週のラストでわかりすぎるほどわかって感動していた。

今週のラストの何が劇的だったかというと、山口との交代にドラマが何もなかったということだ。
ごく自然に、当然の様に交代が行われた。
山口はピンサーとしての矜持を持ってコートに自然と立つことができるようになったんだろうって思った。
多分だけど次週にもドラマはないんじゃないかな。山口が決めるか決めないかはわからないけど、決めても決めなくても、特に見せ場ではない1点になるんではないかと思う。
そのただ流れに組み込まれるだけの1点に山口が関われるっていうのが逆にすごい成長なんだと思う。

ハイキューのこういうさりげない丁寧さ大好きです。