及川徹と岩泉一に関する一考察

漫画『ハイキュー!!』の登場人物である青葉城西高校の及川徹と岩泉一に関して考えたことや思ったことをまとめておくブログです。

ハイキュー!! 134話 感想

及川徹のための及川徹

岩ちゃんは及川さんのために作られたキャラだと思う、ということは常々言っているけれど、その一方で、及川さんと彼が率いる青城は、影山の成長の為に設定されたキャラ・チームという側面があると思っている。
及川さんは総合力No.1セッターであり、セッターとして天才ではないが影山が持っていないものを持っている。影山は北一時代に金田一・国見と上手くいかず、及川さんは青城に入った彼らをきちんと使いこなしているという綺麗な対比がある。
影山がこれを倒す事が出来れば、わかりやすく過去のトラウマも含めて乗り越え、成長したという証になるだろう。

続きを読む

ハイキュー!! 133話 感想

今週の及川さん

久しぶりの及川さん爆発でテンションすごくあがった。最近性格悪い所が鳴りを潜めていたので、いつくるかいつくるかと身構えてたんだけど、最高に爆発してた。
対影山の性格の悪さと表情好きだ。伊達工戦ではこんな顔しなかったもんな。影山がいるからだよな。
もちろん性格の悪さが爆発できたのは、おちょくるための戦略の組み立てと勝負の仕掛けどころがしっかりしていたからで、そこでも及川さんの本領発揮だと思った。
京谷を扱う「勝負師」なところは、IH青城戦の「どうしても硬くなってしまうこの場面で~」のサーブとかからも見て取れるし、そんな及川さんを信頼しての入畑監督の京谷投入って思うととても滾る。
そして戦略や読みががっつり当たってからの態度が、それが相手が嫌な事だってわかっているからこそのあの態度が、最高に性格の悪さが爆発してて好きです。人を煽る天才だと思う。

続きを読む

ハイキュー!! 132話 感想

鉄拳制裁

京谷登場時から、岩ちゃん殴りそう…殴りそう…今にも殴りそうって思ってたけど本当に殴った。
及川さんには拳固をかましたことはないよね、何気に。
「ぶん殴るぞ!」「もう殴ってるよ!」とか「おめーにしか言わねーし殴んねーよ!」とか、及川さんに対して殴る殴る言ってる割に、一番殴るって動作を表してるだろう拳固がないのには前から気付いてたけど、それは岩ちゃんの特徴なのかと思いきや拳固もレパートリーにあったようで。
ただ、今後も京谷にしたような拳固を及川さんにはする気がしないし、今までの様にボールか頭突きかな?って思う。
逆に京谷に頭突きはしないだろうなっていう岩ちゃんの鉄拳制裁コミュニケーションの違い。
アニキューで60話の回想部分を見た時に、頭突きってすごく目線が一緒だし、お互い額や鼻って顔の部位にダメージを負うしで対等だな…っていらん深読みをしたことがあったけど、拳固が出てくるとなると、拳固の上から具合で頭突きの対等さがなお際立つように思いました(深読み)。

続きを読む

ハイキュー!! 青葉城西vs伊達工 感想

俺に勝負させろ

岩ちゃんらしさについて
最初に「俺に勝負させろ」を見た時に旭さんの「俺に寄越せ」に似てるけど、ちょっと違うthe 岩泉感と思っていた。
でも考えていくうちに「俺に寄越せ」とは全然違うなと思った。
「俺に寄越せ」と対比する事で岩ちゃんらしさが分かると思ってるのでちょっと対比したい。

「俺に寄越せ」と「俺に勝負させろ」の最大の違いは何かというと、セッターにボールを要求しているかどうかということだ。
「俺に寄越せ」はセッターに対して自分にトスを上げる事を要求している。対して「俺に勝負させろ」とは別に自分にトスを上げる事は要求していない。あくまで「俺にトスを上げるなら俺に任せるようなトスにしろ」と言っているだけなのである。
実際「俺に寄越せ」の後、スガさんは旭さんにトスを上げ、旭さんはそれを決めている。しかし、及川さんは「俺に勝負させろ」の直後のトスは金田一に上げている。

つまり岩ちゃんは及川さんに対して、「誰にトスを上げるかはセッターの領分だが、その先はスパイカーの領分だから俺の好きにやらせろ、お前が判断する事じゃない」と言ってるわけである。

続きを読む

阿吽考察 終わりと始まり

 ここまで長く話をしてきたが、あのトスは及川の物語の達成であり、岩泉の役割の貫徹であり、及川と岩泉の集大成だった。そして登場してからここに至るまで崩されなかった2人の対等と非対等を示したものでもあった。

 つまり『ハイキュー!!』における及川と岩泉がすべて集約されたものだったと思う。あの一球はここまでのすべての及川徹と岩泉一が詰め込まれていた、本当に洗練されて美しいものだったと思う。

 そんなすべてに終止符を打つようなトスではあったが、同時にこれは始まりでもあると思う。

続きを読む