及川徹と岩泉一に関する一考察

漫画『ハイキュー!!』の登場人物である青葉城西高校の及川徹と岩泉一に関して考えたことや思ったことをまとめておくブログです。

ハイキュー!! 138話 感想

IH青城戦との対比

そんなに詳しく対比するわけではないけれど、IH青城戦をなぞっているというのは明らかだと思う。
まずタイトルだ。
「セッター対決ROUND2」や「流れを決める一本・3」などタイトルからIH青城戦を意識・踏襲していることはよくわかると思う。


それから展開。
スガさんの投入や新変人速攻など似ているけど展開は全然違うところや、山口のサーブの逆転現象。京谷の投入もいわば日向の投入と似たようなものだと思う。ハイリスクハイリターン。
IH青城戦の清算を一個ずつしっかりしていってるんだろうなと思う。

山口のサーブの逆転現象は本当に丁寧に描かれていると思う。
予期せぬネットから予期したネットインへ。その前に2点分のサービスエースがあったわけだけど、この最後の1点こそがリベンジが果たされた証だろうと思う。
そして、その流れを断ち切ってからの、流れ作業のようなローテーション。IH青城戦第3セットのデュース以降を思わせる。あの時は及川さんのサーブリベンジのためにローテーションが回された感があった。
今度は山口のサービスエースへの対抗で及川さんまでローテーションが回されたのではないかと思う。
オマケに今度は金田一への岩ちゃんの一言だ。IH青城戦の時に「目の前の相手さえ~」と岩ちゃんが及川さんに向けた言葉に似ている一言。
なぞっている感じがする。及川さんはきっとサービスエースを決めて第2セットが終わるんじゃないかと思う。この局面で山口以上にサーブにかけてきた時間は長いであろう及川さんが失敗する理由がないし、それがIH青城戦の終盤ともかぶっている。
その終わりからのリベンジ、真の春高戦が第3セットに来るって構成なんではないかと思っている。

目の前

岩ちゃんが金田一に投げかけた一言は、「目の前の相手さえ~」にすごく似ていると思う。
意味合い的にはほぼ同じと言ってもいいんじゃないだろうか。余計な事は考えるなと。今だけを、目の前だけを見ろと。
しかし岩ちゃんの雰囲気には天と地ほどの差があるのではないだろうか。
対金田一の、察しがいいいかにもいい先輩な岩ちゃんと、対及川さんの察しが良すぎる得体の知れない岩ちゃんと。
金田一に対しては諭して、それを聞き入れた金田一に満足そうなのに対して、及川さんに対しては詰るように、そして聞き入れた及川さんにも特に反応がないっていうこの対比。反応については描かれていないだけなんだけど、及川さんに向かって満足そうに微笑む岩ちゃんは想像ができない。

及川さんが絡まなければ良くも悪くも、健全で無難な強豪のイイ先輩っていうのが岩ちゃんだと思う。それが今週でまた強調されたような気がする。
その健全さを持つ普通な無難な岩ちゃんと、底の知れない対及川さんの岩ちゃんはどっちが本物かではなくて、両方合わせて岩ちゃんだと思うから、やはり岩ちゃん像に及川さんは欠かせない。

岩ちゃんの立ち位置

岩ちゃんはどうにも私の中で文脈が無い。古舘先生は見せ場の時の得点の理由をしっかり書いてくださる。岩ちゃんはどうにもそれが薄い感じがする。
突然、あっさり、なぜか、拍子抜けするくらいに、あっさり青城のピンチを救っていく。
当然の様にピンチの球を決める。
逆にあっさり拍子抜けするくらいに止められたりする。
その辺があんまり描かれないから内面が推し量りがたいと思う。

今週決めたのは、一応及川さんの「まぐれ」フラグがあったとは思う。今週も岩ちゃんのスパイクを受けたのは山口だったので、2度は「まぐれ」は出ないぞっていう前振りは確かにあった。
それにしたって彼は一体どんな思いを乗せてスパイクを打っているんだろうという、そこがよくわからないんだ。
及川さんや金田一、更には渡も、彼らの物語はしっかり進行しているのに、岩ちゃんは描写量の割には岩ちゃんの物語というものは見えてこないなあと思う。そこが面白いんだけど。